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シナモンと育毛

シナモンが育毛に効果があるとされています。育毛には頭皮の血流改善が大きな要因とされています。若年者の丸刈りをした頭部が青く見えるのは毛細血管の血流の色です。



それに対して、薄毛などで毛髪の少ない人の頭部は青く見えることがありません。つまり血流を確認することが出来ないわけですが、それは、毛細血管そのものに問題があるようです。



皮膚毛細血管は、血管内皮膚細胞とそれを覆う壁細胞の二層構造になっています。この構造が正常な場合には、血液が末端まで届き、細かな網から滲みだすようにようにして必要な量の栄養分が頭皮の隅々まで届けられています。



ところが、皮膚毛細血管は、加齢とともに内皮細胞から壁細胞が剥離しやすい、不安定な状態に陥りやすくなると考えられます。40代後半に内皮細胞から壁細胞がはがれることで、血液が過度にもれやすい皮膚毛細血管が増加することが確認されています。



その結果、毛細血管の末端まで血液が届かなくなり、頭皮表面では、血液を確認することが出来ず、青く見えることがなくなります。当然ながら、血流が悪くなりますから、毛根などへの栄養が充分でなくなることで、脱毛、薄毛に結びつくと考えられます。



資生堂の研究では、その原因は、内皮細胞にあるレセプター型チロシンキナーゼTie2(タイツー)の活性の低下にあるとされています。Tie2は、年齢による量的変化はないのですが、年齢による活性の低下が確認されているとのことです。そして、その活性化に効果があるのがシナモンの摂取であり、1日0.6g程度で充分とされています。



シナモンは、古くからケイヒエキスとして漢方薬のひとつとして利用されてきました。クスノキ科の常緑の香木で中国、ベトナム、カンボジア、インドネシア、スリランカ、インド南部に分布します。日本では、中国産の広南ケイヒが主に流通しています。



ケイヒエキスは、テルペノイド系化合物を含む精油やタンニンを含有し、解熱作用、骨節疼痛軽減作用、血圧降下作用、腸管運動促進作用、ストレス性胃びらん予防作用、胆汁分泌促進作用、抗菌作用、抗かび作用があると言われ、西欧では温める作用、利尿、通経、解毒、収斂、鎮咳、抗炎症作用があるとされています。



さらに、歯周炎菌酵素の抑制作用、抗酸化ならびに活性酸素生産抑制作用、抗潰瘍作用、寄生虫の運動抑制作用、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用などの報告があります。



ケイヒエキスの摂取はTie2を活性化させ、皮膚毛細血管の血管透過性の正常化を促すことで、栄養成分を末端組織まで供給し頭皮の恒常性に寄与することで育毛効果を得ることが出来ると考えられます。



ケイヒは食品ではシナモンの名称で香辛料のひとつとしてカレー、ソース、焼き肉のたれなどに使用されていて、また、菓子の香りつけとして(京都の)八つ橋、アメ、ケーキなどに使用されてもいます。



このように、シナモンは古くから香辛料として菓子や料理等に使用されていますが、その香気成分クマリンは過剰摂取により肝障害を誘発する恐れがあるとされています。



ドイツの公的機関(BfR)がクマリンの過剰摂取に注意喚起していて、そのBfRの設定値によると体重50kgの人の1日耐容摂取量(=一生食べ続けても発症しない量)は5.0mgとされています。



例えば、カシアシナモン(Cinnamomum cassia)中のクマリン含量は0.11-0.85 mg/gと報告されています。これは、クマリンを5.0mg摂るには、シナモンとして5.88−45.45g必要とすることになります。



したがって、通常の摂取ではありえない量ですが、育毛のためには、シナモンとして0.6g程度で充分ですから、くれぐれも過剰摂取には注意したいところです。

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